陶の栞 陶器の知識・技術

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 陶器の知識・技術
陶器と磁器はどう違うか?
磁器   1)原料は陶石を使用し、白く堅い感じで<いしもの>とも言う。
2)釉薬のかかっていない高台は、石っぽい白が磁器の特徴。
3)指ではじくと、チンと金属音がする。
    磁器は薄くて軽く丈夫。比較的新しい技術で、藍色や鮮やかな色絵のものが知られている。
磁器のプロセス   土作り(陶石)→成形→乾燥→素焼→下絵→施釉→本焼→上絵付→焼付→完成
    伝統的な磁器の産地/有田焼(伊万里焼)、九谷焼、京焼など。
     
陶器   1)原料は、陶土(粘土)で全体的に土の色があり、見た目が柔らかい。
2)高台の色を見ると、釉薬がかかっていないので直ぐに土の色が見える。
3)指ではじくと陶器は鈍い音がする。
    陶器は水漏れを防いだり全体の強度を上げるため表面に釉薬をかけて高温で焼き、ガラス質の皮膜で覆ったようになっている。産地によりいろいろな土と文様で色々な風合いの焼き物がある。
陶器のプロセス   土作り(粘土)→成形→乾燥→素焼→装飾→施釉→本焼→完成
    益子焼もこの分類に入る。
     
焼成の違い   1)酸化焼成→完全燃焼させる
2)還元焼成→不完全燃焼→酸素を失わせる
   
焼き締めとは   釉薬を使用しない焼し締めは伝統的でその素朴さに魅了される。
古代の須恵器の流れをくみ、中世に日常品を焼いた備前焼きなどが有名で、桃山期以来、土と炎が奏でる窯変の美に意外性を見出す。同じ窯、同じ土で焼いても窯中の置き場により炎の当たり具合や灰の降りかかり具合が異なり、二つと同じものが出来ないところに価値がある。
     

各部の名称

●各部の名称は左の通りです。壺や徳利などの場合では「首」「肩」など、
  見た目通りの言葉でその部分を表します。

●呼び方の決まり(骨董品などの場合)
  陶磁器の名称の多くは以下の要素で名称が付けられる。
 名称の呼び方/@産地、作家の名前 
        A技法(色絵等)
        B文様(色絵などは描かれた図柄)

   益子焼 各部名称
         を順番に呼んでいけば間違いないようです。

 陶磁器を選ぶ時、見た目や価格だけでなく、その器の技法や作家の付けた
  名称を読み、自分の見る目を養っていければ知識も深まり、ご自分の楽し
  みが本物になることでしょう。


装飾技法と名称

 

●櫛目(くしめ)/髪をとかす時に用いる櫛のように先が枝の様に分かれた道具を使用し、幾本かの並行な線を刻む模様で、櫛描きという装飾技法を言います。縦に使ったり横に波の様に使い描く場合もあります。
●粉引(こひき)/粉引は、全体に白化粧の透明釉薬を掛けて焼いた物。(注)白化粧とは黒っぽい鉄分の多い土を使用した場合などに白い化粧土を前面に掛けることをいいます。)
●刷毛(はけめ)/刷毛を使用して化粧土を塗ったものをいいます。ろくろの回転を利用したり、自由に刷毛の良さを活かして濃淡を筆のように用い、書のような色々な変化に富んだ力強さを表現したりもします。
●吹墨(ふきずみ)/一言で言うとぼかし技法。墨を吹いて散らした様な模様。日本では初期伊万里の染付皿で有名。
●布目(ぬのめ)/成形した後、生乾きの時に麻布などを当てて押すと、器の表面にその布目が残り独特の風合い味わいが残る。
●三島(みしま)/彫った線や押印の模様に白化粧土を象嵌した技法をいう。花びらのような模様。よく判らない方は図鑑などで調べて下さい。言葉だけで言い表すのはなかなかむずかしいです。

片口(かたくち)について
片口とはどんな風に使うのでしょうか?
片口の使い方は、単純に注ぎ口のついた小鉢と考えて下さい。ちょっとしたお料理も高級感に満ち、美味しく見せる必須アイテム小鉢です。片口部分を利用する時は、とろろ・納豆・カレーなどなど・・お好み焼き・もんじゃ焼きにも使い易いしかなり実用的です。片口部分を飾りと思えば、もつ煮・揚げ出し豆腐などなど・・どんなお料理にもぴったりです!アイデア次第でドンドン使って下さい!
納豆などの粘り気のある食品を入れる時は、中がつるっとした仕上げのものを選ぶほうが良いでしょう。
 
象嵌(ぞうがん)について
象嵌とは?
生乾きの素地を彫ったり印を押したりして模様をつけ、そのくぼみに素地とは異なる色の陶土を埋め込む技法をいいます。佐伯守美氏の作品はその代表と言えましょう?
柿釉(かきゆう)とは?
柿釉とは?
鉄分が多く、柿のような色に焼き上がる釉。素地の土の種類によって色は異なります。白い土を使うほうが美しい柿色になります。益子地方の土はあまり白くはありませんが、益子ならではの独特の風合いで焼き方と釉薬の使い方次第で味わい深い色になります。陶房日向の日向窯で作る柿色は伝統の色使いが面白く必見です。
釉・上釉(うわぐすり)とは
釉・上釉(うわぐすり)とは?
素焼きした陶器の表面に塗る珪酸(けいさん)を主成分とする溶液をいいます。焼成するとガラス質の皮膜を作り素地を美しくします。吸水性がなくなり強度が増すなどの効果があります。本来は透明ですが焼成の方法や、様々な着色原料を混ぜることによって色々な色になります。
 
呉須(ごす)とは?
呉須とは?
酸化コバルトを主成分とする天然の鉱物。これで絵付けし釉薬を施して焼成すると藍色になります。染付けに使われたり、るり釉の原料に使われます。今は化学的に合成された呉須がコバルトと称して使用されています。
灰釉(はいゆう)とは?
灰釉とは?
木や草の灰を原料にした釉で、貫入ができるのが特徴です。木灰釉は黄褐色や緑褐色に、藁灰釉(わらばいゆう)は乳白色になります。当サイトで紹介している植田隆治氏の作るピンク色は上釉の配合が難しく、藁灰釉を使用して色を出しているようです。
貫入(かんにゅう)とは?
貫入とは?
釉に灰釉を使ったときにできる表面のひび割れのことです。素地と釉の収縮率の違いにより生じます。青磁や萩焼きに多く見られます。使うにつれてヒビより茶渋などが染み込んでいきますがこの変化が貫入の特長です。時間が経過したり、使ううちに自然にヒビ割れができ味わいが出てくる場合も貫入と呼びます。落としたりで衝撃を与えた場合にできるヒビとは基本的に異なります。
取り扱い方法
買ってすぐの手入れ
 
高台、底の処理
器の底を高台(こうだい)と呼びます(下の写真参照)。
この部分は釉薬がかかっていないためザラザラしています。力を入れて器を引きずると食卓などを傷つけることがあります。ご使用になる前に確認して下さい。
※当方で発送前に気をつけて磨いていますが、まだザラザラが気になる時は砥石やサンドペーパー等で磨いて下さい。また敷布などをして、呉々もテーブルを傷つけないようご注意下さい。
 
土物はまず煮沸
土でできた陶器は吸水性が高いので、それだけ汚れがしみ込みやすく、扱いには少し注意が必要です。購入した器をそのまま使用するのでなく、使う前にきれいに汚れを落として、しばらく水につけて様子をみましょう。鍋に水を入れ一握りの米を入れて10分位煮沸し、冷ましてから水洗い後乾燥すると、コーティング作用で汚れやいやな臭いが付き難くなります。

長く使うためには
 
上絵の器に酢の物料理は使わない
器の内側に色絵が描かれている場合、酢の物料理に使用するのは出来るだけ止めて下さい。使用するたびに変色する原因になります。使用した場合は早めに酢を洗い落としておく事をお奨めします。
 
色絵や金銀彩は電子レンジに入れない
金銀色絵を使った器は電子レンジに入れないこと。色が完全に変色してしまいます。そのような器でなくとも、和食器は電子レンジでの加熱に使わず、耐熱食器を使用した方が無難です。

使用後の手入れと保存
油物以外はなるべく洗剤を使用しない
普通の料理に使用した器はぬるま湯で丁寧に洗えば落ちます。台所洗剤に長時間浸したり、洗剤たっぷりのスポンジで力を入れてゴシゴシ洗うと器を傷つけます。
大切な器は手洗いして下さい
最近食器洗器が流行っていますが、大切な器は手洗いして下さい。手触り感覚で細部に目をくばり洗えば益々愛着が湧いて、汚れの落ち具合も確認できます。
陶器と磁器は重ねないで下さい
引越し時の収納や日常の収納の時、器を重ねないのが本当はいい。それが無理な場合は陶器と磁器を重ねないようにしましょう。高台が当たり磁器に傷を付けることがあります。色絵や金銀彩の高価な器をやむを得ず重ねる場合はその間々に布や厚紙を挟むと良いでしょう。
洗った後はよく水分をふき取り、乾燥させてから収納
水分を残したまま、長期間使用せず収納しておくとカビの原因になりますので注意しましょう。